Q1 平均流速を算出するマニングの式において水深(Hd)は径深(R)に相当するもので、大河川ではRがHdに近づくため安全側にHdを使用するものと解釈できるのですが、中小河川でRを用いた場合、平均流速の計算以外でもRを用いるべきではないですか?
A1 護岸の力学設計法自体が直轄河川のデータ(沖積河川学 山本晃一著参考)に基づいてまとめられたものですから、径深を用いる必要があるような河川の場合については考慮されていません。リバランスでは径深を用いた平均流速の計算は可能ですが、平均流速以外の部分では径深を用いると不都合が生じるため水深(Hd)を用います。(護岸の力学設計法では水深によって各補正係数の計算が規定されています。
※この件に関してご意見を頂ければ幸いです。
Q2 影響区間長は自動設定されていないのはなぜですか?
A2 影響区間長は各設計基準で2・Bから5・Bと若干考え方が異なり、Bについても河床幅を用いる場合と計画高水時の水面幅を用いる場合があるようなので、設計者が直接数値を入力する仕様としました。
Q3 エネルギー勾配に複数勾配が使用できるとはどういうことですか?
A3 通常、代表流速の計算はエネルギー勾配が同様の値とみなされる一連区間で行われることが前提ですから、「複数勾配の使用」という考え方自体がおかしいと言えます。しかし、リバランスでは問題にならない程度の勾配差で、しかも、どうしても複数勾配設定が必要である場合を想定して、この設定を可能としました。
Q4 設計流速は代表流速の平均値を用いるべきですか?
A4 美しい山河では、確かにそうなっています。しかし、計算に用いられた断面位置、断面数または使用目的によって、区間最大値・区間平均値・河道線形区間内最大値・河道線形区間内平均値より選択して用いてください。
Q5 河道断面に垂直部分があるのですが、対応できますか?
A5 残念ながら、垂直部分がある断面は入力できません。現段階では水平距離に1cmなど小さい値を入力するなどの便宜を図って計算するしか方法がありません。今後対応を検討致します。
Q6 美しい山河を守る災害復旧基本方針によるB表は出力できないのですか?
A6 残念ながら現段階でB表を出力する仕様になっていません。バージョンアップ時に機能を追加する予定です。
Q7 最大洗掘深の計算で用いる水深について、美しい山河を守る災害復旧基本方針と護岸の力学設計法では著しく異なるのですか?
A7 ご指摘の通りだと思われます。護岸の力学設計法では平均年最大流量時の水深を用いて最大洗掘深の算出を行いますが、美しい山河ではそのようなことは記述されていませんから設計水深を用いることになります。これを比較すると単純に考えても2倍程度違うわけですから、当然、計算結果は相当違ってきます。
※この件に関してご意見が頂ければ幸いです。
Q8 高水護岸の計算時、死水域となって計算できません。死水域を考慮した計算はできないのですか?
A8 リバランスでは対応していません。死水域となる部分を設定断面から除いて計算してください。
Q9 高水護岸と堤防護岸の違いがよくわからないのですが・・・?
A9 代表流速算出に於いて、高水敷幅が狭い場合は高水護岸であっても堤防護岸として計算する必要があります。その目安は高水敷幅/高水敷水深<3となっています。
(護岸の力学設計法P43参照)
Q10 高水敷幅が広い場合は干渉の影響は無視できるとなっていますが・・・?
A10 高水護岸の代表流速計算時に高水敷幅は広い場合は無視できます。ただし、数値的に無視できる範囲が示されていません。リバランスでは高水敷幅が広い場合は補正係数が限りなく1に近づき問題が生じないため、全ての場合に補正を行う仕様になっています。