Q1 低減率とは何ですか?
A1 一般の書籍(基準・指針類を含む)には載っていませんが、(財)土木研究センターの発行する護岸ブロックの水理特性値試験報告書(試験依頼先に対して発行)によると、実際に設置される護岸ブロックの群体時移動限界流速は補正(低減)が必要となっています。リバテクトではこの群体ブロックの移動限界流速の低減率を”低減率”と呼んでいます。
Q2 水中(空中)重量の低減とは何ですか?
A2 リバテクトでは、安定照査を部材の重量と流体力から求められる必要重量を比較することで行っていきますので、低減率によって部材の重量を低減して用います。この時(W)と流速(V)にW∝V2の関係が成り立つため、低減率を考慮した重量はWt=Wx低減率2としています。これは必要重量の30%増しと同様の考え方によるものですから、低減率を考慮する場合には必要重量の割増は行いません。また、実際の護岸設計では低減率を考慮した場合と30%割増した場合の計算結果を比較して安全側を採るなど検討が必要です。
Q3 根固工安定照査時の低減率の考え方についても教えてください。
A3 リバテクトでは根固工の安定照査時にも法覆工と同様に低減率を考慮することができます。ただし、根固工の移動限界流速の低減について記述された物がないため、現段階では計算結果を参考と考えてください。
Q4 法面方向の滑動力の無視とは何ですか?
A4 リバテクトでは法面工の安定照査時に法面方向(法肩から法尻の方向)の滑動力を無視した計算ができます。ただし、この考え方は基準・指針などには記述されていません。(護岸材料メーカーでは理論的に間違っていない為、何年か前から用いられてきたそうです。)
Q5 控え厚の照査は必要ですか?
A5 部材の控え厚の照査について、旧河川災害復旧護岸工法技術指針(案)に記載されていましたが、現在は記載されていません。部材の必要控え厚を計算で求めたい場合のみ用いてください。通常は形状寸法の決まった護岸材料で安定照査行うため、必要ありません。
Q6 リバテクトには設計条件など同じ記号がたくさんあって解りづらいのですが・・・?
A6 ご指摘の通り、記号が紛らわしい部分があります。できるだけ解りやすくしたいのですが、リバテクトがそれぞれの基準・指針などで使用することが可能であるよう、また入力値の解釈に若干相違があっても計算式自体がおかしくならないように考慮した結果と考えてください。(例:計算に用いるy(部材の高さ)などは照査モデルの違い・基準の違いで全体高さ・控え厚・平均高さなど採り方が違うのですが、yに幾種類も記号を付加すると、全体として余計にわかりづらくなる)
Q7 部材の特性値に証明書の値を用いる場合、「滑動-群体」時に用いるAgまたはADの値が表示されていないのですが、その場合はどうするのですか?
A7 現段階ではAgの値を別途設定するか、Abの値を用いることが考えられますが、設計者に計算式及び証明されている部材の形状より判断して頂くことになります。
Q8 このソフトは一体どちらの基準に準拠しているのですか?
A8 河川砂防技術基準、護岸の力学設計法(これは基準でも指針でもないが)、河川災害復旧護岸工法技術指針では、係数の取り方などに若干の違いがあるものの、同じ考え方です。むしろ内容の違いは発行日時の違いであると考えられます。護岸の力学設計法自体がここ数年に発表された新しい考え方なので今後も、計算式・係数などが改定されることが予測されます。ですから、リバテクトはできるだけ多くの考え方(計算方法)を網羅した仕様としています。
Q9 法覆工編と根固工編はなぜ分割されているのですか?
A9 根固工の安定照査について河川砂防技術基準および護岸の力学設計法で解説されていますが、河川災害復旧護岸工法技術指針(最も新しい)では、解説されていません。このことは根固工について評価方法が固まっていないと受け取れます。また安定照査に関する考え方・計算式・係数は今後も頻繁に改定される公算が強く、分割しておいた方が何かと都合が良いと判断されたからです。今後の動向をみながらリバテクトVer・2では1つのソフトにすることを考えております。